- 条件付きの処理を実行するIF関数の使い方
- 論理式に使われる比較演算子の種類
- IF関数の入れ子(ネスト)の使い方
Excelで条件付きの処理を実行することができるIF関数を紹介します。
IF関数を使用することで、指定した条件を満たしているか、満たしていないかによって異なる処理を実行することができます。
非常に汎用性の高い関数なので、使い慣れるといろいろなことに応用できます。
また、Excelにおける関数入力を効率化する「Tab」キーの使い方についてはこちらを参考にしてください。
IF関数
IF関数の書式と比較演算子
まずIF関数の書式ですが、
=IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)という形をとります。
「論理式」には、条件を満たす真(TURE)もしくは、条件を持たさない偽(FALSE)のどちらかに評価できる式を指定します。
「値が真の場合」には、論理式の条件を満たす真の場合に返す値を指定します。
「値が偽の場合」には、論理式の条件を満たさない偽の場合に返す値を指定します。
論理式では、真なのか偽なのかを評価できる式を指定しなければなりません。
そこで、式には下の表のような「比較演算子」というものを使用します。
比較演算子 | 意味 |
= | 等しい |
< | ~より小さい(未満) |
> | ~より大きい |
<= | ~以下 |
>= | ~以上 |
<> | 等しくない |
「=」が等しい、「<」が~より小さい(未満)、「>」が~より大きい、は問題なく理解できると思います。
~以下の「<=」は「≦」の代わりとして、~以上の「>=」は「≧」の代わりとして使用されています。Excelの論理式では「≦」および「≧」は使用できないので、そういうものだと覚えてもらうしかありません。
等しくないの「<>」も「≠」の代わりとして使用されています。~より小さくて、~より大きいので、つまり等しくないということになります。こちらも慣れない表現だと思いますが、覚えてもらうしかありません。
では、実際にIF関数を使ってみましょう。
IF関数の基本的な使い方
IF関数を用いて、点数が80点以上ならば「合格」、80点未満ならば「不合格」と表示させたいと思います。
IF関数の書式は、
=IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)
でした。
Aさんの点数が入力されているセルが、80点以上か、80点未満かを評価するため、「論理式」は「C3>=80」となります。
これにより、「値が真の場合」は「C3に入力されている数値が80以上の場合」となり、「値が偽の場合」は、80以上を満たさないことになるため、「C3に入力されている数値が80未満の場合」となります。
「値が真の場合」に、「合格」と表示させたいので「=IF(C3>=80」の後に続けて、「,」を打ち込み、「”合格”」と入力します。
さらに「値が偽の場合」に、「不合格」と表示させていので「=IF(C3>=80,”合格”」に続けて「,」「”不合格”」そして「)」を入力します。
今回のIF関数でも、「=IF(C3>=80,合格,不合格)」と「”」を入力し忘れた場合、エラーになってしまうので注意してください。
Aさんの点数は80以上の95なので、確かに合格が表示されました。
オートフィルを使って、他の人の評価も表示させましょう。
論理式が80以上か、80未満かを評価しているため、点数が80点のDさんは「合格」になっています。
IF関数の入れ子(ネスト)
それでは、次の場合はどうでしょうか?
IF関数を使用して、点数が80点以上なら「〇」、80点未満かつ50点以上なら「△」、50点未満なら「×」を表示させたいと思います。
その時に、使うのがIF関数の入れ子(ネスト)と呼ばれるものです。
簡単に言うと、IF関数の中に、もう1つIF関数を入れることを言います。
先に結論から説明すると、上のように「=IF(C3>=80,”〇”,IF(C3>=50,”△”,”×”))」という数式を入力します。
理解しにくいと思うので、後半のIF関数を便宜上、「処理X」と置き換えます。
そうすると、「=IF(C3>=80,”〇”,処理X)」となり、このIF関数は、点数が80点以上なら「〇」を表示し、80点未満なら「処理X」を実行するという意味になります。
この「処理X」に、実際にはIF関数: IF(C3>=50,”△”,”×”)が組み込まれており、点数が50点以上なら「△」を表示し、50点未満なら「×」を表示します。
「処理X」は前半のIF関数の論理式が偽の場合である、点数が80点未満の時に実行されます。
すなわち、「=IF(C3>=80,”〇”,IF(C3>=50,”△”,”×”))」は、
点数が80点以上なら「〇」を表示し、80点未満かつ50点以上なら「△」を表示し、50点未満なら「×」を表示する関数になるのです。
オートフィルを使って、他の人の評価も表示させましょう。
確かに、点数が80点以上なら「〇」、80点未満かつ50点以上なら「△」、50点未満なら「×」が表示されていることが分かると思います。
さらにMOSについて、勉強したい方は参考書を利用しましょう。